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おいしすぎるポテチ発見

.20.2010 お菓子 2 0
Tyrrelles -Hand cooked potato chips-

chips_20100521015320.jpg

左が「シードルビネガーと海の塩」
右が「海の塩と黒胡椒」
この他に「スィートチリ&レッドペッパー」とか
「チェダーチーズ&チャイブ(?)」とかがある。

この高級そうな外観(…っていうか普通に高い)。
味わいのある白黒写真。
メイド・イン・エゲレス!
くぅ〜 スノッブだねー。

ポテチごときで気取ってやがると思うのだが
食べたら黙らされる。
適度な厚みがあって味も上品で
(シードルビネガー味がすっぱムーチョになっていない!)
何より,お芋の甘み〜〜〜〜〜〜!

清水の舞台から飛び降りた甲斐がありました。
イチオシは「海の塩と黒胡椒」。
これとビールさえあれば家がアイリッシュパブになっちゃうね。

guiness1_20100521021040.jpg →シュワ〜→ guiness2_20100521021040.jpg

イエーイ (^-^)/

雨月物語・七人の侍

.15.2010 映画 2 0
今週,ものすごい邦画DVDを2本も見てしまった・・・!
溝口健二監督の「雨月物語」,そして黒澤明監督の「七人の侍」。
すごい・・・すごすぎる!!!
鳥肌が立ちまくって,ちょっとこれまでにない映像体験だったので
興奮が冷めないうちに感想を書いてみる。

◇ ◆ ◇ ◆ ◇

雨月物語 (溝口健二監督)

ugetsu monogatari

「何っ,君はミゾグシ(←Mizoguchiの仏語読み)を知らないのかね!!」
半ば呆れられながらフランス人のムッシュが貸してくれた雨月物語。
いや,本当に恥ずかしながら,名前を言われてもぴんと来ないほど知らなかった。
私は古い邦画をあまり見たことがなくて,フランスに来てからというもの
しばしば日本映画の素晴らしさをフランス人から説かれている。。。

「近くの映画館で溝口監督の作品を日替わりで上映する特集を組んでいたんだ。
 何も知らずに1つ見に行ったら,あまりの素晴らしさに1週間毎日通ってしまった。
 この人の作品は本当にすごい。雨月物語が一番好きなわけではないけど,
 これしかDVDを持っていないから是非これを見て。」
熱い口調で,なんだか妖気漂う写真が表紙のDVDを渡された。
うぉ〜,なんか日本の古い怪談とか怖そうだけど大丈夫かいなと思って見るのを
ためらっていたのだけど,友達が遊びに来たので一緒に見ることにした。

結果。こ,こえ〜〜〜〜〜〜!!!!!
友達と気づいたら両手を握り合っていた。笑
これ,独りで見ていたら怖くて途中で挫折していたかもしれない。
うーん,でもやっぱり挫折できなかったかもしれない。
それくらい息をつかせぬストーリー展開だった・・・。
緊張と弛緩を繰り返し,あまりに克明にシーンが刻まれていく。
一瞬も退屈せず,ぐんぐんと引き込まれていく。

怖いだけじゃない。妖気。悲しみ。美しさ。
特に京マチ子演じる若狭(実は亡霊)はすごかった・・・。
白塗りに眉毛をぼわんとおでこの真ん中に描いているようなメイクなので
今の自分の基準ではけっして顔に見惚れるような美人ではないのだけど
仕草のひとつひとつのしなやかさはそれだけで確実に一つの「美」だったし
眠っている男を見つめる目つき腰つきの色っぽさにはぞく〜っとした。
その色香に狂っていく男の姿と若狭の高笑いの声,
妻子を思い出して帰りたがる男と若狭の有無を言わせぬ目力。
そう,おつきの老女,右近役も鬼気迫る迫真の演技!
背筋直撃である。

人間と亡霊,正気と狂気,色気と妖気の境がゆらゆらときわどく描かれる。
CGも何もない,ただ白黒の世界で,光と影が溶け合うように。

女性を本当によく描いている作品だと思った。
京マチ子演じる若狭と老女の右近の世界もそうだが,もう1つの中心は
侍になると言って出ていった農民の夫2人を待つそれぞれの妻である。

そのうち一人は夫を待つ間に遊女に身を落とすのだが,
再会のシーンの台詞の強さに本当に無意識に泣かされる。
私は涙腺が緩いので映画などをみるとよく涙がでるが,普段は
あ,やばい,この展開泣いちゃうやつだ,うわ…やばい…
とか思っているうちに感動の台詞が出てきてまんまと泣いてしまうのだが
今回は本当に気づいたときにはボタッと涙が落ちているという感じ。
それほど不意に,魂の叫びのような強い言葉が登場人物から投げられる。
もう一人の妻との再会シーンは言葉よりもその動作に全ての想いがこもっている。

日本の女性の本来持っている色気,けなげさ,意志の強さ,美しさが存分に描かれていると思うし,登場する男性のまっすぐな功名心や女房思いの根のやさしさにも日本らしさを感じる。
夢で祟られないように思わずお笑い動画で口直ししてから寝たほど怖かったが
こうして書いてみると一人一人の登場人物像が愛着と共に鮮やかに心に残っており,映像美だけでなく,ストーリーとしてもどこか穏やかな救いもある映画だった。

いやぁ,圧倒された・・・。たしかに溝口監督はすごい!
他の作品も是非とも見なくては,と思った。


◇ ◆ ◇ ◆ ◇

七人の侍 (黒澤明監督)

seven samurai

この作品についてはある先輩のブログで絶賛の記事を読んでいたので
ずっと見ようと思っていたのだが,長い作品なので先延ばしになっていた。
今日ふいに午後の研修がなくなり,外も寒い雨だったので
部屋の窓のブラインドを早々に下ろして3時間近くじっくり見た。
今見終わってしばらく経つけど,もう,興奮。。。

まず,日本の男性の魅力というのがこの映画には全て詰まっている!
この七人の侍の誰にも惚れずにこの映画を見終えることができるだろうか?
ただもう圧倒的に輝いている三船敏郎演じる「菊千代」や
人徳ある完璧なリーダー「島田勘兵衛」(志村喬),
黙って背中で生き様を見せる「久蔵」(宮口精二)…
彼らの格好良さ,強さ,優しさ…これよ,これ!
この二年間,フランス人男性の方が格好いいわ〜♪とか言っててすいません。
やっぱり日本の男は格好いい。
顔やスタイルじゃない。所作の優雅さでもない。
ストイックな求道心。強い使命感。無言の役割分担。奥に秘めた優しさ。
しびれる。しびれるしかない。

それに,外国にいて外国人の動きを毎日見ていると,
普段感じないような日本らしさを感じるときがある。
例えば「無駄のないきびきびした動き」。まるで早送りしているよう。
これは日本人だー,と変なところで感動してしまう。

映像もすごい。
特に印象に残ったのが,勝四郎と志乃が出会う花の咲く野。
最後の決戦の豪雨のなかで,人の足や馬の蹄で激しく跳ね上げられる泥水。
戦ものの映画の中には全体的に灰色の戦モードなものもあるが
この映画は,こんな対照的なシーンがどちらもはっとするほど美しいし
合戦の場面と同じくらい平時の農村の映像にも力がある。

ストーリーも完璧だと思う!
3時間近いとは思えない。全く退屈しない。
特に侍と農民という階級間の関係性の描き方が素晴らしい。
野武士の略奪から村を守るために七人の侍に戦を頼む農民たち。
そこにはもともと階級的な緊張関係が存在する。
自分たちが作った米を侍に食べさせ,稗を食べて生きる農民。
そうした農村の苦しみに階級的な罪悪感を感じる侍。
具体的な登場人物のうちにも,葛藤がある。
野武士に妻や子どもを略奪された農民の利吉や高齢のお婆さん。
野武士が燃やした家から救い出された赤ん坊を抱いて
「これは俺だ,俺も全くこの子と同じだったんだ!」と叫ぶ農民の出の菊千代。
農民に槍で落ち武者狩りをされた恨みのある侍,七郎次。
そんな葛藤を抱えつつ,農民と侍の間に生まれる絆や信頼関係も描かれる。
そして,一丸となって野武士との戦いに勝利し,村に平和が訪れたところでの
最後の田植えのシーン。。。これが,すごい!!
生命を育む者のしたたかさか。殺す生業のむなしさか。。。
躍動感のある田植えの歌と共に強烈な印象を残して映画が終わった。

まだ見たばかりなせいか,興奮が先走ってうまく書けないが,
もし見ていない人がいたら本当にオススメである。
名作と言われるものはやはり名作なのだと思いきり納得した。
あー。惚れたなぁ。

なんか,日本人で良かった。。。

Art Brut Japonais@モンマルトル

.13.2010 美術,舞台 2 0
ずいぶんと更新をしていなかった!

面白いことがなかったのかといえば全然そうではなくて,
むしろたくさん外に出るようになって
パソコンから気がそれていたという感じだ。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

今日はモンマルトルでの素敵な半日について。
特に,そこで見た,
アール ブリュット ジャポネ(Art Brut Japonais)という
素晴らしい展覧会について感想を書いておきたいと思う。
この展覧会の存在はドイツから遊びに来た日本人の友達が教えてくれて
私はあまり予備知識もなく,軽い気持ちでその友達と一緒に見に行ったのだった。

Anversの駅を出て,ごちゃごちゃした布地屋さんや服屋さんの横を
真っ直ぐ登っていくと突然視界が開ける。

montmartre1.jpg

おなじみ,パリの観光名所,サクレクール寺院。
Art Brut Japonais展はこのサクレクールのふもとの最高の立地にある
Halle Saint Pierreという美術館で開催されていた。
広々とした円形に近い展示スペースを特に順路もなくゆったりと使い,
1階部分には黒を基調とした空間に作品が展示され,
2階部分では天井から光の差し込む明るく白い空間に作品が並ぶ。
(上のリンクのブログ部分で展示スペースの写真が見られる。)

art brut3
(画像はアール ブリュット ジャポネのサイトから)

この展覧会は強烈なパワーを持っていた。
あれこれ細かい感想を言う以前に
とにかく全てをひっくるめて「ガツン」と来たのである。
なんなのだろう,この感じ。

この展覧会のサイトに「この展覧会を通じて精神科病院や知的障害者施設等を利用する障害者の制作する作品が、美術的な価値を認められることによる、芸術を通じた障害者のエンパワメントを目指しています。」と書いてあったので,
おぼろげに知的障害者アートであることは理解していたが,
あくまでおぼろげであり,あまりはっきりしない認識で見に行った。
アールブリュットやアウトサイダーアートという言葉の意味も知らなかったのでなおさらだ。
私の気のせいかもしれないが,サイトでも障害者の作品であることを
前面に押し出すべきかどうかのためらいが感じられるようだった。
そういう風に感じたのは,きっと私自身の中でそういうラベルが貼られていると
理解しなくては・・・というような変なスイッチが入ってしまうことの裏返しだろう。

ともあれ,展覧会を見たら,サイトでのはっきりした説明も,
私の中の余計なスイッチについての心配も,何もかも不要だった。
だって,単純にすごかったからだ。

5mm平方くらいの大きさでひたすら漢字を敷き詰めた作品
いつまでも眺めていられそうな色彩の馬の絵
映像的な記憶で描いたのかと思いきや想像も巧みに混ざっている町並の風景画
言葉をこれでもかというほど書き連ねてもはや字に見えなくなってくる絵
「洋の東西問わずおっぱい大好き多し」という真実の一言がそっと添えられた絵
電車が好きでたまらないことがわかる細かすぎる電車の絵,そして紙の模型,
縄文時代のような大地のパワーを感じる土器・・・

挙げればきりがないが,並々ならぬ力に圧倒される。
作者のことは全く知らないけれど,
一心不乱に,脇目もふらず,その作品に熱中している姿が見えるようだ。
作品から,その人の興味関心がダイレクトに伝わってくる。
女性のファッションにすごく興味のある人,漢字が絵のように見えている人,
固有名詞が気になる人,方眼紙上の直線と曲線の交わりに熱中している人,
性と生の苦しみを表現せずにいられない人,平和な世界観をすんなり出す人。
どろどろとしたものも,淡々としたものも,余計な気取りがなくて
そのまんまそこに表現されているというか。
自分のために無我夢中で表現した作品のように見えた。
「Art Brut」を訳すと,生の芸術,むき出しの芸術,となるが,なるほど…。
芸術ってもともとはということなのかな。
いや,もともとは,とかそういうことではなくて,
彼らには私に見えてないものが見えているということ,
そしてもっと言えば人はみなそれぞれが違うものを見ているということ
でもそれを表現せずにはいられない衝動が他の人に伝わって
なんらかの共感を呼び起こすということ
芸術ってそういうことなのだろうか。

それに,私はこれらの作品に,妙に日本人らしさも感じた。
指先の器用さ,マス目などの使い方の几帳面さ,漢字と絵のあわいへの興味。
絵の横によく字が沿えられていたのは雑誌や漫画を思わせたし
作品の色合いが総じてポップだったのも,現代日本の文化の反映か。

ともあれ,とても濃厚な時間を過ごしたなぁ。
すっごい可愛かったし,マニアックだったし,個性的だったし,
時々は作品からわき出す異様なパワーに怖くなって目をそむけたくなったし,
日本語の記載に友達と笑った(これは日本語がわかる人の特権!)。
フランス人もすごく熱心に作品を見ていて,雰囲気からだけだけど,
私たちと同様,強い印象を受けているのがわかった。

精神病院や知的障害の施設にいる人たちの作品だから
ふむふむ,良かったわ〜と言わざるを得ないのではなく,
そんなの何も知らないで来ても,絶対に楽しめる。
日本人としてもなんだか誇らしかった。
そして,今年の3月から来年の1月までという長期間,
アールブリュットジャポネと名打って最高の立地でババンと展示してくれる
フランスという国の文化的ふところの深さ,そしてお目の高さに敬意を表したい。
この国のこういうところが本当に素晴らしいと思う。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

さて,友達と大満足でこの展覧会を出てきたが
あまりの迫力に若干生気を吸い取られ^^;
この美術館のこれまた気さくなカフェでキッシュとサラダを食べて休憩した。

そしてモンマルトルの丘を登り,散歩。
人で賑わうサクレクールもテルトル広場も良いが,モンマルトルの良さは
なんといっても緑やツタの多い狭い路地とかわいらしい建物。

町角でおじさんが若干怪しい手つきでチェロを弾いていたり
montmartre2.jpg

ピンクのワンピースがかわいかったり
montmartre3.jpg

メゾン・ローズ(壁がピンクのユトリロの家,現在はカフェ)にて,アールブリュットにかぶれて(?)視点を変えた写真を撮ってみたくなったり
montmartre4.jpg

パリにはめずらしいワイン畑のそばで友達が転んで大笑いしたり。
montmartre6.jpg

楽しい午前中だった!

何度も来たことのあるモンマルトルだが
これからモンマルトルに来たら必ずこの展覧会の一日を思い出すだろう。
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